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マンション売却のすべてがわかる!
流れ・費用・失敗しないポイントを徹底解説

マンション売却は、人生で何度も経験することではないからこそ「何から始めればいいのか」「安く買い叩かれたくない」「手続きで失敗したくない」といった不安や疑問が尽きないものです。マンション売却の全体像や注意点を知っておけば、希望どおりの価格で売却できる可能性が高まります。
この記事では、マンション売却の準備から引き渡しまでの具体的な流れ、費用や税金の知識、失敗しないための不動産会社選びのポイントまで詳しく解説します。

この記事でわかること

  • マンション売却には、準備から引き渡しまで多くのステップがある
  • マンション査定には、机上査定と訪問査定の2種類がある
  • 売却価格は査定価格とイコールではない
  • マンションを売却するときには手数料や税金、登記関係の手続き費用など、さまざまな出費が発生する
  • 信頼できる不動産会社に相談することがマンション売却の第一歩となる

マンション売却の流れ

マンションのイメージ画像

マンション売却には、準備から引き渡しまで多くのステップがあります。マンション売却の大まかな流れは以下のとおりです。

  1. マンションを売却するための準備を始める
  2. マンション査定を依頼する
  3. 仲介を依頼する不動産会社を選ぶ
  4. 物件状況や設備に関する情報を提供する
  5. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  6. 販売価格を決める
  7. マンションを売り出す
  8. 買い主と売買契約を締結する
  9. マンションを引き渡す

ここでは、各ステップの具体的な内容とポイントを順に解説します。

マンションを売却するための準備を始める

まずは、マンションを売却するための準備を始めます。

具体的には、マーケットインフォメーション、不動産情報サイトが提供するAI査定サービスなどで売却するマンションの周辺相場を調べ、売却価格の目安を把握します。

同時に、住宅ローンの残債がいくらかを金融機関に確認しましょう。売却価格で住宅ローンを完済できない場合は自己資金で補填する必要があるため、資金計画を立てるためにも欠かせない手続きです。

また、売却に必要な書類(購入時の売買契約書や登記済権利証など)を揃えておくと、あとの査定や媒介契約がスムーズに進みます。いつまでに売却したいのかなど、大まかなスケジュールを立てることも大切です。

マンション査定を依頼する

次に、不動産会社にマンションがいくらで売れそうか、査定を依頼します。査定方法には、机上査定と訪問査定の2種類があります。

机上査定は物件情報や周辺の取引事例をもとに算出する方法で、手軽かつスピーディーに価格の目安を知ることができます。

一方、訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に部屋を訪れ、日当たりや眺望、室内の状態、リフォーム履歴など、データではわからない価値を評価に反映させます。そのため、より実態に即した、精度の高い査定価格がわかります。売却を具体的に考えているのであれば訪問査定をしましょう。

ただし、不動産会社が提示する査定額は、あくまで「この価格なら3ヵ月程度で売れるだろう」という見込みの価格であり、査定額=売却価格ではないことを理解しておく必要があります。

また、マンション査定のタイミングでは、以下の書類をあらかじめ準備しておくと売却がスムーズに進みます。

  • 登記済権利証または登記識別情報通知
  • 固定資産税納税通知書
  • 購入時の売買契約書や重要事項説明書
  • 間取り図、測量図
  • 管理規約、長期修繕計画書

まだ売却が検討段階の方は、三菱地所ハウスネットのAI査定で相場観をつかむのもおすすめです。無料で手軽に査定結果がわかりますので、お気軽にご利用ください。

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仲介を依頼する不動産会社を選ぶ

査定結果や担当者の対応を比較し、仲介を依頼する不動産会社を1社に絞ります。査定結果が出てから1週間~2週間程度で選ぶとよいでしょう。

不動産会社を選ぶ際に重要なのは、査定額の高さだけで決めないことです。なぜその査定額になったのか、納得できる根拠を示してくれる会社を選びましょう。

また、マンションの売却や同じエリアでの取引実績が豊富な不動産会社かも確認します。取引実績が多ければ多いほど、的確な販売活動と早期売却につながります。

さらに、担当者との相性も大切です。質問に丁寧に答えてくれるか、連絡はスムーズかなど、信頼関係を築ける相手かを見極めてください。売却活動は数ヵ月にわたります。二人三脚で進められるパートナー選びがマンション売却の成否を大きく左右します。

物件状況や設備に関する情報を提供する

次に、仲介を依頼する不動産会社に対して、物件の状況や設備について知っている情報を報告します。

情報を提供する際は、買い主とのトラブルを防ぐためにも、不利な情報も含め正直に伝えましょう。具体的には、不動産会社が用意する物件状況報告書と設備表に、雨漏りの有無、シロアリの害、給湯器などの設備の不具合などの情報を正確に記入します。

もし知っている不具合を隠して売却し後から発覚した場合、契約不適合責任を問われ、損害賠償や契約解除を求められる場合があるため注意が必要です。

また、設備の取扱説明書や保証書など、残っている書類をまとめておくと、設備に関する情報が伝えやすくなります。

不動産会社と媒介契約を結ぶ

仲介を依頼する不動産会社が決まったら、販売活動を正式に依頼するための媒介契約を結びます。依頼する不動産会社を決めてから1週間~2週間以内に締結すると、スムーズに売却が進みます。

契約形態には、1社のみに売却活動を任せる専任媒介契約や専属専任媒介契約、複数社に仲介を依頼する一般媒介契約があります。専任媒介契約と専属専任媒介契約では不動産会社に定期的な販売状況の報告義務が課されるため、売却の進捗を具体的に把握しやすいというメリットがあります。

媒介契約書には、仲介手数料の金額や支払いタイミング、契約期間(通常は3ヵ月)などが明記されています。内容を隅々まで確認し、少しでも不明な点があれば質問しましょう。

関連記事

専任媒介とは?専属専任媒介や一般媒介との違いと向いているケースを解説

販売価格を決める

次に、不動産会社の査定価格を参考に、担当者と相談しながらマンションの販売価格を決定します。媒介契約の締結から1週間以内に決めて、なるべく早く次のステップへ進みましょう。

前述のとおり、売却価格は査定価格とイコールではありません。査定価格はあくまで、3ヵ月程度で売却が成立するであろう価格の目安です。そのため、買い主からの価格交渉を見越して少し高めに設定したり、売却を急ぐ場合は相場に近い価格にしたりと、担当者と話し合いながら戦略的に決めることになります。

また、周辺で売りに出ている物件の価格や市場の動向(売り手市場か買い手市場か)も考慮に入れる必要があります。不動産会社の専門的な知見を参考に、購入希望者の興味を引ける価格で販売価格を設定できれば、好条件で売却できる可能性が高まります。

マンションを売り出す

販売価格が決まったら、いよいよマンションの売却活動が本格的に始まります。不動産会社がレインズ(指定流通機構)と呼ばれる不動産会社間の物件情報システムに物件を登録したり、ホームページに物件情報を掲載したりして、広く購入希望者を探します。

問い合わせがあれば、購入希望者が物件を見に来る内覧の対応をします。内覧は買い主が購入を決断するうえで重要な機会であるため、事前の準備が欠かせません。内覧で売り主が心がけるべき対応や事前準備は、主に以下のとおりです。

  • 登記済権利証または登記識別情報通知
  • 固定資産税納税通知書
  • 購入時の売買契約書や重要事項説明書
  • 間取り図、測量図
  • 管理規約、長期修繕計画書

マンションの販売期間は、状況によりますが1ヵ月~3ヵ月程度かかるのが一般的です。公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」では、物件の登録から成約までにかかる期間は、直近5年間で70日~90日程度で推移しています。

参考

公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」

買い主と売買契約を締結する

購入希望者が見つかり、価格や引渡日などの条件交渉がまとまれば、買い主と売買契約を締結します。購入希望者が見つかり、価格や引渡日などの条件交渉がまとまってから1週間~2週間程度で行われるのが一般的です。

売買契約当日は、まず不動産会社の宅地建物取引士から、物件の重要な事項についての説明である重要事項説明を受けます。その後、内容に合意したうえで、売買契約書に売り主・買い主双方が署名・捺印し、その際に買い主から売り主へ手付金(売買価格の5%~10%が相場)が支払われます。

手付金とは売買契約が成立した証拠金としての意味合いを持つお金です。売買契約書は法的な効力を持つ重要な書類のため、内容をしっかり理解し、不明点はその場で担当者に聞いて解消しましょう。

また、売買契約当日は、事前に以下のものを用意しておくと安心です。

  • 本人確認書類
  • 実印
  • 印鑑登録証明書
  • 登記済権利証または登記識別情報通知書
  • 印紙代

ただし、状況によって必要書類は異なるため、必ず担当者に確認を取っておきましょう。

マンションを引き渡す

売買契約で定めた日までに売却代金の残金を受け取り、マンションを引き渡します。これを決済と呼び、一般的に買い主が利用する金融機関に売り主・買い主・不動産会社・司法書士などが集まって手続きを行います。マンションの引き渡しは、売買契約を締結してから1ヵ月~3ヵ月程度の期間を設けるのが一般的です。

マンションの引き渡しには、主に以下の書類が必要です。事前に担当者と打ち合わせを行い、忘れものがないよう注意しましょう。

  • 登記済権利証または登記識別情報通知書
  • 実印・印鑑登録証明書(発行後3ヵ月以内のもの)
  • 本人確認書類
  • 物件の鍵一式
  • 管理規約
  • 設備の取扱説明書

当日は、買い主から残代金が振り込まれたことを確認後、売り主は住宅ローンが残っていればその場で完済し、抵当権の抹消手続きを司法書士に依頼します。抵当権とは、住宅ローンを借りる際に、金融機関が購入する土地や建物などの不動産を担保として設定する権利のことです。

同時に、物件の所有権を買い主に移すための所有権移転登記も行います。諸費用(仲介手数料の残額や登記費用など)の精算を済ませ、物件の鍵や関連書類一式を買い主に渡して、すべての取引が完了します。

マンションの引渡日までに引越しを完了させて物件を空にすると同時に、公共料金の解約と精算を済ませておきましょう。

マンション売却にかかる費用

売却のイメージ画像

マンションを売却するときには、売却価格がそのまま手元に入るわけではありません。仲介会社への手数料や税金、登記関係の手続き費用など、さまざまな出費が発生します。事前に把握しておかないと「思ったより手元に残らなかった」というケースも少なくありません。

ここでは、マンション売却にかかる主な費用と、その内容についてわかりやすく解説していきます。

仲介手数料

仲介手数料とは不動産会社に支払う手数料で、売り主に代わって集客や営業活動を行うことに対する報酬です。

不動産会社が受け取る仲介手数料は、宅地建物取引業法で以下のように決まっています。

不動産の売買価格 受け取れる仲介手数料の上限
200万円以下 売買価格×5%+消費税
200万円超~400万円以下 (売買価格×4%+2万円)+消費税
400万円超 (売買価格×3%+6万円)+消費税

例えば、マンションの成約金額が3,000万円の場合、支払う仲介手数料の上限は以下のように計算できます。

(3,000万円×3%+6万円)=96万円 96万円×10%(消費税)=9.6万円 合計105.6万円

印紙税

マンションの売買契約を進める際には、印紙税を納める必要があります。印紙税とは、日常の経済取引にともなって作成する契約書や金銭の受取書(領収書など)に課税される税金です。なお、電子契約の場合は印紙税の納付は不要です。

契約金額(マンションの売買価格)に応じて、必要となる印紙税額は以下のように決まっています。

契約金額 印紙税額(平成26年4月1日から令和9年3月31日までの軽減措置)
1万円未満 非課税
1万円を超え10万円以下 200円
10万円を超え50万円以下 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円を超えるもの 48万円

出典

国税庁 No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置

登記・手続き費用

登記・手続き費用とは、マンションの所有権を移転するための費用です。具体的には、法務局においてマンションの所有権を移転するための登記費用が該当します。

登記を行うことで、法的に所有権の変更が行われたことを第三者に主張できます。また、所有権の移転登記は司法書士に依頼することもあります。

なお、登記・手続き費用に関して発生する費用は以下のとおりです。

  • 登録免許税:不動産の価額(課税標準価額)×税率1.5%
    ※令和8年3月31日まで
  • 司法書士手数料:3万円~6万円程度

譲渡所得税

マンションを売却するときに売却益が発生する場合は、譲渡所得税が発生します。つまり、購入時の金額よりも高く売却できた場合に発生する税金です。

譲渡所得は「不動産の売却価格-(取得費+譲渡費用)」で算出します。このほかに控除が適用されることがありますが、詳しくは「確定申告についても把握しておく」で後述します。

また、マンションの所有期間が5年以内か5年を超えているかによって、税率が異なります。

マンションの所有期間 税率
所有期間が5年以内(短期譲渡所得) 所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%
所有期間が5年超(長期譲渡所得) 所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%

譲渡所得税は購入時よりも高い金額で売却したときに発生するため、譲渡損失が発生した場合はかかりません。

なお、不動産を売却したときにかかる税金に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。不動産を売却すると税金はいくらかかる?課税の種類と計算方法を解説

清掃費用など

マンションの販売活動を開始したあとに、購入希望者の関心を引くためにハウスクリーニングや清掃を行うことがあります。清掃を専門業者に依頼することでマンションの清潔感を保ち、購入希望者へ好印象を与えられるメリットがあります。

築年数が経過しているマンションの場合、水回りに頑固な汚れやカビが付着しているケースが少なくありません。専門業者でなければ落とせないときは、売却を有利に進めるためにもハウスクリーニングの利用をおすすめします。

三菱地所の住まいリレーでは、ハウスクリーニングをはじめ、さまざまなサービスをご用意しております。売り主、買い主の安心な不動産取引を後押しする「三菱地所ハウスネットのあんしんサービスメニュー」

また、売却にかかる費用をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

不動産売却にかかる費用は?抑えるコツや計算方法をわかりやすく解説

マンション売却のよくある失敗例

売却のイメージ画像

売却の手順を誤ったり信用度の低い不動産会社に仲介を依頼したりしてしまうと、マンションの売却はうまくいきません。

以下で、マンション売却のよくある失敗例をご紹介します。失敗を防ぐためにも、不動産のプロフェッショナルへ相談することが重要です。

適正価格やサービス内容を調べずに契約してしまった

適正価格やサービス内容を調べずに契約してしまうと、本来売れたはずの価格より安く売却してしまう恐れがあります。

最初に相談した1社の査定額や提案だけで売却を進めてしまうと、その価格が適切かどうか判断しづらいことがあります。不動産会社によって得意分野や提案の仕方が異なるため、「なぜその価格なのか」「売却をどのように進めるのか」などをしっかり確認しながら信頼できる不動産会社を探すようにしましょう。

自分自身でもある程度の相場観を養っておくことも大切です。国土交通省が運営する不動産情報ライブラリや、不動産流通機構のレインズマーケットインフォメーションなどで、実際に成約した類似物件の価格データを確認しましょう。

査定額を提示されたら、その金額だけを見るのではなく、「なぜその価格になったのか」という具体的な根拠を確認するのもおすすめです。どのような類似物件の取引事例を参考にしたのか、物件の建物のプラス面とマイナス面をどのように評価したのかなどを確認し、納得できる明確な根拠を示してくれる会社を選びましょう。

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不動産売却はどこがいい?選び方のポイントや依頼方法を解説

売出価格が高すぎて売却まで長期化してしまった

売出し価格が高すぎると、なかなか買い主が現れません。その結果、売却まで時間がかかってしまうケースは往々にしてあります。

高く売りたい気持ちはわかりますが、買い主が現れなければ交渉に至ることすらできません。売出し期間が長引くと値下げを余儀なくされ、結果的に希望価格よりも低い金額で売却せざるを得ないこともあります。

売却のスケジュールを決めている場合、なかなか売れないと精神的なストレスにもなりかねません。不動産市況や競合物件をリサーチしたうえで、最適な売出し価格を設定することが大切です。

マンションの売却実績が乏しい不動産会社に依頼してしまった

すべての不動産会社がマンションの売却に強いとは限りません。査定を依頼する段階で、マンションの売却実績が豊富にあるか確認してみてください。なかには、一戸建てや土地の売却実績が豊富な一方、マンションの売却実績が乏しい会社もあります。

マンションの売却実績が乏しい不動産会社に仲介を依頼すると、正確な査定結果が得られない場合があります。また、マンションを売却するノウハウを持っていないため、希望どおりの売却ができないことも考えられるでしょう。

住宅ローンの残債を把握せずに売却を進めてしまった

住宅ローンの残債を把握せずに売却を進めてしまうと、売却後に資金不足に陥る危険があります。マンションの売却価格がローン残高を下回るオーバーローンの状態だと、差額を自己資金で補填しないと抵当権を抹消できず、売却自体ができません。

例えば、売却価格が2,800万円でも、ローン残高が3,000万円あれば、200万円の自己資金が必要です。マンション売却の前に必ず事前に金融機関へ連絡し、正確なローン残高を確認しましょう。

住宅ローンの残債は、主に以下の3つの方法で知ることができます。

  • 登録免許税:不動産の価額(課税標準価額)×税率1.5%
    ※令和8年3月31日まで
  • 司法書士手数料:3万円~6万円程度

販売活動を始める前に正確な資金計画を立て、オーバーローンの状態になりそうな場合は資金繰りの対策を事前に講じましょう。

マンション売却で後悔しないための不動産会社選びのポイント

不動産会社選びのイメージ画像

マンション売却で後悔しない不動産会社選びのポイントはいくつかあります。ここでは、そのポイントを5つご紹介します。

信頼できる不動産会社に相談しよう

まずは、信頼できる不動産会社に相談することがマンション売却の第一歩です。なぜなら、不動産会社は売り主の代理人として、価格設定から販売活動、契約手続きまで、マンション売却のすべてを担うからです。

信頼できない会社に任せてしまうと、不利な条件で契約を進められたり、売却活動が滞ったりするリスクがあります。

信頼できる会社を選ぶためには、これまでの実績や実際に利用した方からの評判・口コミを調べるとよいでしょう。

また、実際に担当者と面談し、マンション売却に関する専門知識の有無や経験を把握することも効果的です。さらに、会社の知名度だけでなく、担当者の説明の丁寧さや、親身になって相談に乗ってくれるかなど、誠実な姿勢であるかを見極めましょう。

実績の有無を確認しよう

次に、実績の有無を必ず確認しましょう。売却したいマンションと同じエリアや同じようなタイプ(ワンルームかファミリータイプかなど)のマンションの販売実績が豊富かが重要です。

実績が豊富ということは、その地域の適正な相場観や効果的な販売戦略のノウハウが蓄積されているということです。

また、実績が豊富な不動産会社は、過去の成約データをもとに、どの価格帯なら売れるかを的確に判断でき、見込み客も多く抱えている可能性が高いです。販売実績は不動産会社のホームページで公開されていることが多いため、事前にチェックしましょう。

査定時に「このマンションの近くでの売却実績はありますか?」と直接聞いてみるのも1つの方法です。

担当者の対応力を確認しよう

会社の信頼性や実績の確認と並行して、担当者個人の対応力を見極めることも重要です。売却活動は担当者との二人三脚で進めるため、コミュニケーションが円滑にとれる相手でなければなりません。

担当者の対応力を見極める際は、査定を依頼した際に説明が丁寧でわかりやすいか、こちらの質問に的確に答えてくれるか、契約を急がせるような言動はないか、などの点をチェックします。

「この人とは合わない」という違和感が少しでもあれば、その直感を信じて別の担当者や会社への相談を検討してみてください。

サポートの範囲を事前に確認しよう

マンション売却で「全部やってくれると思っていたのに」というトラブルを避けるためにも、不動産会社のサポート範囲を事前に確認しましょう。

提供するサービス内容は不動産会社によって異なります。例えば、物件の魅力を伝えるための写真撮影は、プロフェッショナルのカメラマンが担当するのか、営業担当者が撮るのかで大きく印象が変わります。

また、広告の掲載媒体や掲載頻度、内覧の際の立ち会いや準備のアドバイス、契約書類作成のフォロー体制など、具体的にどこまでサポートしてくれるのかを媒介契約を結ぶ前に明確にしておきましょう。

販売活動のサポート範囲は、不動産会社のホームページに掲載されていることがあります。実際に不動産会社を利用した方がインターネットに口コミを書いているケースもあるため、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。ただし、口コミは個人の感覚によるものなので、あくまで参考程度に留めておきましょう。

査定の根拠を聞こう

マンションの査定結果を得たら、根拠を確認しましょう。査定結果をどのように算出したのか、論理立ててわかりやすく説明してくれれば、信頼できる不動産会社だと判断できます。

査定の根拠を明確に説明できる不動産会社は、取引実績が豊富で不動産市場動向に精通しているとも評価できます。査定の根拠と合わせて、どのような販売戦略を考えているのかも確認するとよいでしょう。

査定の根拠や不動産会社の分析力を見極めるためには、「この査定額を算出された具体的な理由を教えていただけますか?」とストレートに聞くのがベストです。

「近隣のこの物件が◯◯円で成約した事例や、現在売出し中のこの物件の状況をふまえて、ご所有のマンションのプラスポイントである〇〇と、マイナスポイントの△△を考慮し、この価格を算出しました」のように、客観的なデータと個別の評価を交えて論理的に説明してくれる不動産会社は信頼できます。

逆に、「最近相場が上がっているので」などの曖昧な回答しかできない不動産会社には注意が必要です。

スムーズかつ適正な価格でマンション売却を進めるためにも、納得できるまで査定の根拠を聞きましょう。

【タイミング別】マンション売却の注意点

マンション売却を成功させるためには、単に手続きを進めるだけでなく、売却前、売却中、売却後の各タイミングで押さえるべきポイントを理解する必要があります。ここでは、それぞれの段階で注意すべきポイントを解説します。

売却前

本格的な販売活動に入る前の準備は、売却の成否を大きく左右します。焦って売却を進めず、基本をしっかり固めましょう。

査定の種類を把握しておく

不動産会社による査定の種類を把握しておきましょう。種類は主に、机上査定と訪問査定の2種類です。

机上査定とは、これまでの取引実績や周辺取引事例、最新の不動産市場の動向を踏まえ、机上で価格を算出する査定方法です。スムーズに不動産価格の目安を知りたい場合は、机上査定が向いています。

訪問査定とは、机上査定の内容に加えて不動産会社の担当者が実際に物件を確認し、客観的な視点で価格を算出する査定方法です。実際に物件を目視し現況を確認するため、机上査定よりも高い精度の査定結果を得られます。

いつまでに売るかの期間を決めておく

いつまでにマンションの売却を完了させたいのか、期間を決めておきましょう。目標となる期間は個々の事情によって異なりますが、一般的には販売活動を開始してから3ヵ月以内に売買契約を結ぶことを目指すケースが多い傾向にあります。

前述のとおり、公益財団法人東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」では、物件の登録から成約までにかかる期間は、直近5年間で70日~90日程度で推移しています。

参考

公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2024年)」

ただし、3ヵ月という期間はあくまで目安であり、ご自身の状況に合わせて目標を設定することが重要です。売却を急がない場合は、相場より少し高めのチャレンジ価格で売出し、じっくりとよい条件の買い主を待つという戦略を取ることも可能です。

一方、売却を急ぐ場合は、相場に近い価格で売り出すことで早期の売却が目指せます。

このように、売り出す期間によって強気に価格を設定するのか柔軟に値下げの対応をするのかの販売戦略は異なるため、不動産会社に売却時期の希望を伝えることが大切です。

売出価格と最低売出価格を決めておく

マンションの売却を検討する際は、売出価格と最低売出価格を決めましょう。

適切な売出価格の設定は、スムーズにマンションを売却するために欠かせません。適切な売出価格とは、相場から大きくかけ離れず、かつ価格交渉の余地を少し含んだ価格のことです。例えば、査定価格が3,000万円であれば、3,080万円などで売出し、交渉で端数を調整するイメージです。

できるだけ高く売りたいと考えていても、競合物件よりも高額な価格で売り出すと買い主はなかなか現れません。売出価格は、不動産会社から得られた査定結果と実際に売り出されている競合物件を見ながら決めるのが一般的です。

あわせて、最低売出価格も決めておくとよいでしょう。買い主が現れない場合に徐々に値下げをするのが一般的ですが、最低売出価格を決めておくことで買い主と交渉する際の基準が明確になり、買い主にも自分の希望が明確に伝わります。

契約方法は自分に合ったものを選ぶ

不動産会社と媒介契約を締結する際には、自分に合った契約方法を選択しましょう。専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数社への依頼 × ×
自己発見取引 ×
不動産仲介会社から売り主への報告義務 報告義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズ(指定流通機構)への登録義務 なし あり(媒介契約の締結から7日以内) あり(媒介契約の締結から5日以内)
契約期間 規定なし 3ヵ月 3ヵ月

信頼できる不動産会社にすべてを一任したい場合は、専属専任媒介契約か専任媒介契約を検討するとよいでしょう。

それぞれの契約方法にメリットとデメリットがあるため、自分のマンションの状況や希望に合った契約方法を選択しましょう。

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査定価格と売出価格は異なることを理解しておく

査定価格とは、3ヵ月を目処に売却できる可能性の高い金額を不動産会社の意見として提案する価格です。一方、売出価格とは、査定価格を参考に、売り主の希望や市場の状況、価格交渉の可能性などを考慮して最終的に決定する販売開始価格です。

査定額が高いからといって、そのままの価格で売出しても、購入希望者が現れないかもしれません。査定価格はあくまで判断材料の1つととらえ、担当者とよく相談して売出価格を設定しましょう。

売却中

売却活動が始まれば、購入を検討する方とのコミュニケーションが重要になります。丁寧な対応を心がけましょう。

内覧の段取りに注意する

売出しているマンションに興味を示す方が現れたとき、内覧を通じて好印象を与えることは非常に重要です。内覧時に部屋の汚れが目立ったり案内の段取りが悪かったりすると、購入意欲を損ねてしまう恐れがあるので注意しましょう。

内覧は以下の手順で準備を進めるのがおすすめです。

室内を清掃・整理整頓する 内覧日が決まったら、水回りや玄関を中心に家全体を掃除します。不要なものは片付け、できるだけ生活感をなくすことを心がけましょう。
空間を演出する 当日は天候に関わらずすべての照明をつけ、カーテンを開けて室内を明るく見せます。事前に換気を行い、室温も快適に調整しておきます。
役割分担を確認する 担当者と事前に打ち合わせを行い、物件説明は誰がするか、自分はどのタイミングで何を話すかなどの役割分担を確認しておきます。
おもてなしの準備をする 事前にスリッパや物件の魅力をまとめた資料などを用意しておくと、丁寧な印象を与えられます。

内覧は購入希望者が物件を直接見る貴重な機会であり、その段取りが売却の成否を分けるといっても過言ではありません。上記を参考に内覧に備えましょう。

不具合・瑕疵は告知する

マンションの不具合や瑕疵があれば、内覧の案内や売買の交渉をするなかで必ず告知しましょう。売買契約を締結する際の重要事項説明で不具合や瑕疵の説明が行われるとはいえ、早い段階で買い主に告知したほうが印象が良くなります。

売り主は「できるだけ高く売却したい」と考えるのが普通ですが、もし不具合や瑕疵を告知せずに売買契約を進めると、あとになって契約不適合責任を問われたり、契約解除を求められたりする可能性があります。

売却を依頼している不動産会社と相談しながら、マンションに関するポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も丁寧に買い主へ説明することが大切です。

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売却後

無事に売買契約が締結できても、やるべきことはまだ残っています。最後まで気を抜かずに手続きを完了させましょう。

引き渡しまでのスケジュールを立てておく

売買契約を締結したタイミングで、マンションを引き渡すスケジュールを決めます。売り主と買い主がスムーズに引っ越せるよう、引き渡しまでの無理のないスケジュールを立てておきましょう。

引き渡しのタイミングで売り主の準備が整っていなければ、買い主に迷惑をかけてしまいます。売り主自身も新しく住む家を確保する必要があるため、不動産会社と相談しながら住み替えのスケジュールを立てましょう。

年末年始や3月の年度末は引越し業者の手配も苦労することが考えられるため、早めに相談・手配することも大切です。

確定申告についても把握しておく

マンションを売却して利益が出た場合は、確定申告を行う必要があります。普段は会社で年末調整をしている会社員の方も、マンション売却を行うと自分自身で申告しなければなりません。

確定申告は翌年の2月16日~3月15日に行う必要があります。マンションの購入・売却に関する書類は大切に保管しましょう。

マンション売却後に確定申告をしなかった場合は本来納めるべき税金に加えて、ペナルティとして追徴課税が課されます。意図的に申告を怠ると最悪の場合、刑事罰に問われる恐れがあるため、決して軽視できない手続きです。

このように、確定申告は売却後の流れの重要な手続きです。手続きに不安がある場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

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まとめ

マンションの売却を進めるうえでの注意点は多数あります。注意点を把握せずにマンションの売却を進めると、スケジュールどおりに進まなかったり、希望価格よりも低い金額で売却せざるを得なかったりなど、不利益を被る可能性があるため注意しましょう。

特に、販売活動前の準備はマンション売却の成功の鍵を握ります。査定価格と売出価格は異なることを理解し、いつまでに売るのかという目標期間をあらかじめ設定しておきましょう。

希望どおりの売却を進めるためにも、マンションの売却に強い不動産会社へ相談することは欠かせません。初めてマンションを売却する場合は、不動産会社のサポート範囲や実績、担当者の対応力を確認することが重要です。

マンションを好条件で売却したいとお考えの際は、ぜひこの記事を参考に売却活動に臨んでみてください。

柴田 充輝
柴田 充輝
宅地建物取引士
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。
保有資格は宅地建物取引士・FP1級・社会保険労務士・行政書士。金融メディアや不動産メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆経験がある。

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